根強い支持を得ている六曜ろくようを知って集客に生かそう

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昨今、六曜を知らない若者が増え、廃れてきた感もある六曜ですが、それでも根強い人気があることも確かです。

たとえば、結婚式を計画している人が、大まかな時期を決めた後、日程を決める際には六曜を参考にすることは現在でもよくあることでしょう。

実際、私の前の職場(シティホテル内の日本料理店)では、吉日の休日は、結納を兼ねた食事会や披露宴の席でいっぱいでした。人気の日柄は一極集中し、2回転することもよくありました。

そんな慣習は気にしないわ、という方もいると思いますが、そんな日を選んで、いざ当日振袖を着て華やいだ気分でいるのに、黒い服の団体様とロビーでかち合う…なんてこともあります。

そこから飲食店では、土日祝日と六曜の組み合わせから、大まかな予約の傾向を掴むことができます。
予約の調整(スペースコントロール)や人員の調整等を前もって準備することができ、売上アップとコストダウンにつなげることが可能となります。

六曜の歴史

もともとは中国の『小六壬しょうりくじん』という時刻の占いが、室町時代に日本に入ってきたことがはじまりでした。しかし、長い間あまり使われることはなかったようです。

実際に多くの日本人に知られるようになったのは、明治6年の太陽暦が採用された(旧暦から新暦に改暦された)時で、それまで使われていた日の吉凶が使用禁止になり、新しく加わったのがきっかけでした。

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六曜の順序

先勝から始まり、友引、先負、仏滅、大安、赤口で、順番は変わらず繰り返します。

しかし、一旦流れが変わる日があります。それは、旧暦の一日になると、その月の決まった六曜に変わるのです(その月によって先勝だったり、大安だったりと決まっている)。
なので現在の新暦のカレンダーで六曜を眺めていると、急に流れが止まって、六曜が飛んだように感じる箇所が出てきます。

そこが占いとしてミステリアスに感じたようで、信仰の元でもあるようですね。

六曜の名称といわれ

それぞれ読み方は雑多にあり、今日でも一定してないのが現状です。

先勝(せんかち、せんがち、せんしょう、さきかち)

『先んずれば勝つ』で、勝負事に適した日午前が吉午後は凶

友引(ともびき、ともひき、ゆういん)

朝夕は吉正午は凶。友を引くと言って、葬式などは避けます

先負(せんぷ、さきまけ、せんまけ)

『先んずればすなわち負ける』で、勝負事や急用は避けるべきとされます。午前が凶午後は吉

仏滅(ぶつめつ、もつめつ)

物滅が転じたもので、祝儀は避ける一日中大凶

大安(たいあん、だいあん)

『大いに安し』で、祝儀に最適な日一日中大吉

赤口(しゃっこう、しゃっく、せきこう、じゃっこう、しゃくくち、せきぐち)

正午のみ吉他は凶。また、祝儀は大凶とされます。

 

これらはルーツこそ中国ですが、日本流にアレンジされています。
一日の中でも吉凶が変わるものもあって、なかなか忙しいものですね。

お祝いごとだと、大安・友引・先勝の順に、弔事だと仏滅に集まりやすく、先負と赤口が潰しが利かないのか、人気がないですね。

しかし、意味の取り方によっては、違う解釈もできる気がします。
また、あえて人気のない日柄に、六曜に振り回されにくい団体客(同窓会など)にアプローチをすると、閑散日の集客になることでしょう。

参考文献:
・岡田芳朗.旧暦読本.現代に生きる「こよみ」の知恵.2006、335p
・財団法人 日本ホテル教育センター.和食検定:基本編.2011、394p.

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11月8日(2015年)は立冬りっとう。暦は冬でも、秋真っ盛り!

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以前にも少し触れましたが、立冬りっとうについてもう少しお話をしたいと思います。
四季は春夏秋冬だけではない! さらに細分化した二十四節気を知って催事に生かそう 

『冬が立つ』と書いて立冬

一年を二十四の季節にわけた暦・二十四節気<にじゅうしせっきrp>)では、11月8日(毎年おなじ日ではありません)を立冬と呼び、この日から冬としています。

ただ体感としてはまだまだ秋ですよね。むしろこれからが秋本番といったところではないでしょうか。

実はこの二十四節気という仕組み、元は中国が発祥。気候の基準も中国に合わせていますから、多少の感覚のずれがあるのは致し方ありません。

立冬としての期間は、次の二十四節気『小雪しょうせつ』までの約二週間になりますが、冬としての期間は、次の『立春りっしゅん』(2月4日)までの約三ヶ月です。

立冬の頃の気候と言葉

この頃、太平洋側の地域ではぽかぽかとした晴天が続くことがあり、そんな日を『小春日和』と表現します。

春を思わせるような暖かな日’を指し、厳しい寒さの前に訪れる穏やかな日を喜んだ言葉でもあります。

私、恥ずかしながらこの仕事(仲居)に就くまで、『冬が終わりかけの頃の、ぽかぽかした陽気の日』を指した言葉だと思ってました…

また、木枯らし一号が発表されるのもこの頃ですね。北よりの冷たい風が吹くと、冬の気配を感じずにはいられません。

そうなると、落ち葉拾いして、焼き芋を作る風景が似合いますが、今ではすっかり見なくなって寂しいです。

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山茶花さざんかの赤いつぼみが開きかける頃にぱらぱらと降る雨を『山茶花梅雨』と言います。

山茶花は日本庭園でよく見かけますね。みなさんのお店のお庭にもありますでしょうか。

立冬と食べ物

年中行事と食べ物には深い関係があることが多いのですが、立冬に関しては特に決まった食材はありません。

ただ、本格的に寒くなりり、冬の訪れを感じる日には、鍋料理などをおすすめしてはいかがでしょうか。

葉物野菜が旬として出回りますし、ちょうど本日11月6日は、越前かに漁の解禁日です!

 

参考文献:
・岡田芳朗 松井吉昭.年中行事読本:日本の四季を愉しむ歳時ごよみ.2013、318p.
・市田ひろみ.市田ひろみの日本人でよかった年中行事としきたり.2007、175p.
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『とどのつまり』の語源は、魚のボラ!?…出世魚にまつわるお話

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出世魚は縁起の良い魚として、お祝い席には頻繁に登場しますよね。

今回はそんな出世魚の種類や、語源にまつわるお話をしたいと思います。

日本人は江戸時代まで、元服や出世で名前を変えてきました。そこで、稚魚から成魚になる過程で名称の変わる魚を出世魚とし、子供の成長や出世などを祝福するときに用いられたのです。

ただ、名称が変わる魚すべてが出世魚、と呼ばれるわけではありません。

たとえば、まぐろも成長で名称が変わりますが、出世魚とは言いません。なぜならば、まぐろは血の気の多い魚(赤身)として下魚扱いされていたからです。

成長と共に名称が変わることと、縁起が良い魚であること、両方の条件が揃って『出世魚』と名乗れるのです。

ここでは代表的な三種類の魚を紹介します。

1.ぶり

関西~北陸地方では『年取り魚』と言い、正月に食べられることで有名です。

出世魚の呼び名は全国各地様々で、それゆえに水揚げ漁港では、出荷先の地域に合わせた呼び名で出荷しているとか。

ここでは関東と関西の呼び名をご紹介します。

関東

わかし(35cm以下) → いなだ(35~60cm以下) → わらさ(60~80cm) →ぶり(それ以上)

関西

つばす(40cm以下) → はまち(40~60cm以下) → めじろ(60~80cm) → ぶり(それ以上)

関東の人はあれ?と思いましたよね。関東で『はまち』とは養殖の鰤を指しますが、関西では出世魚の名称のひとつなんですね。

鰤の旬は冬ですが、大きさの小さい『いなだ(はまち)』は夏に旬を迎えます。

2.ぼら

卵が唐墨になることで有名な鯔も、日本各地で出世魚の呼び名が変わります。
一般的な名称をご紹介します。

はく → おぼこ(3cm)→ すばしり(6cm) → いな(2年魚) → ぼら(3年魚) → とど(4年目以降)

鯔の呼び名は、様々な例えに用いられてます。

    • おぼこ』は、その小ささから、世間擦れしていない若い生娘のことを指すようになりました。
    • 粋のいい若者を、『いなせな~』という言い回しをしますが、その語源が『いな』からきていると言われています。いなせは『鯔背』と書き、いなの背中が町人の髪型~髷まげ~ににていることから、粋のいい若い衆を指すようになりました。
    • 最終的に、結局、という意味で使われる『とどのつまり』のとどは、これ以上は成長しない・止めから派生したものと言われています。

鯔がこんなに生活に密着した魚とは知りませんでした。

言葉の由来にもなるくらいですから、昔から生活に密着した、日本人にゆかりのある魚という証拠でもありますね。

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3.すずき

鱸も出世魚の呼び名は地方によって様々であり、ここでは代表的な名称を記します。

こっぱ(15cm以下) → せいご(20~30cm) → ふっこ(40~60cm) → すずき(それ以上)

鱸にはこんな逸話があります。

平清盛が伊勢から熊野詣をしていた時に、乗っていた船に大きな鱸が飛び込んできました。それを清盛自ら調理して、自分も含め一族に食べさせたところ、そのあとは吉事ばかりが続き、一族の繁栄に繋がった…という縁起の良いお話が。

他にも、『春はタイ、夏はスズキ、冬のヒラメ』と三大白身魚として崇められる存在です。

縁起物として、福の子で、『福子~ふっこ~』と表現したりもします。

 

以上、代表的な魚のご紹介でした。

お祝い席で、名称と共に由来やエピソードを知っておくと、きっとお客さまにも喜ばれますね。

参考文献:
・財団法人 日本ホテル教育センター.和食検定:基本編.2011、394p.
・伊藤 敏克.「1センチのブリ」の名は? 出世魚、昇進ルートの謎.日本経済新聞社.2014-8-20.http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75610690T10C14A8000000/?df=2、(参照2015-11-5)
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四季は春夏秋冬だけではない! さらに細分化した二十四節気ニジュウシセッキを知って催事に生かそう 

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二十四節気ニジュウシセッキという言葉だけだと馴染みがないかもしれません。

では、『春分』や『夏至』だったらどうでしょう。
聞いたこと、ありますよね。

実は、これらも二十四節気の一つ。

二十四節気を理解し、季節をより細分化して考えることができると
飲食店の催事メニュー企画を立てる際に、大いに役立てることができるのではないでしょうか。

二十四節気とは

もともと、中国発祥の考えで、季節と暦を結びつけるものとして考案されました。

稲作を中心にした生活をしている日本では、農耕の季節を正確に把握するために、この暦が使われてきたのです。

約2週間で1つの季節が巡りますので、1年で24もの季節=二十四節気になります。

それでは二十四節気をひも解いていきましょう。
二十四節気の名称に並び、春夏秋冬の区分と新暦を< >内に記しました。

また、二十四節気を基本に、
日本人になじみ深い『五節句』と、
日本独自の年中行事『雑節』を併せてご紹介してます。

※文中では、赤字→五節句・青字→雑節を表しています。
特に、飲食との関わりを中心に解説いたします。

立春りっしゅん <春><2月4日頃>

この日から春の始まり。旧暦ではこの頃が正月でした。

立春の前日が『節分』です。
炒った大豆で鬼退治をし、年の数だけ豆を食べるのは、一年の無病息災を願っての習わしでした。
また、鬼が嫌ういわしの頭を柊の枝に刺して、家の軒下につるす習慣もあります。

近年耳にする『恵方巻き』は、節分にその年の恵方に向かって太巻きをかじる習慣が、関西方面から全国に広まったものです。

雨水うすい <春><2月19日頃>

雪は雨にかわり、氷もとけるこの頃は、農耕を始める目安の季節でもありました。

3月3日上巳じょうしの節句』桃の節句です。
女の子の節句として有名ですね。白酒が振る舞われ、ちらし寿司はまぐりのお吸い物をいただきます。

白酒は、みりん・焼酎などに、もち米や米こうじを仕込み、1ヶ月間熟成させたもろみを、軽くすりつぶして造った酒のことをいいます。
(甘酒と似ていますが、全く異なるものです。)
ちらし寿司の具には、縁起ものの海老や、見通しが良いといわれる蓮根が入っています。
はまぐりは、対の貝としか合わないことから、女子の貞操を意味します。

啓蟄けいちつ <春><3月6日頃>

漢字に『虫』の文字があるように、冬眠していた虫達もそろそろ温かさで地表にでてくる頃です。

春分しゅんぶん <春><3月21日頃 祝日になります>

昼夜の時間が同じになる日で、この日を境に昼間が長くなります。

また、春分の日前後七日間『春の彼岸』と呼ばれる期間になります。
太陽が真西に沈むこの日は、極楽浄土にもっとも近くなる日と考えられ、ご先祖様を供養する習慣があります。
牡丹餅ぼたもちを御供えしますね。

清明せいめい <春><4月5日頃>

『清浄明潔』の略で、清々しく、明るく晴れ渡った様子を言い、お花見の季節です。

穀雨こくう <春><4月20日頃>

春の雨が降り、農家が種をまき始める頃です。

立春から数えて88日目(5月2日頃)を、『八十八夜』といい、この日に摘んだお茶は、とてもやわらかく高品質な新茶として珍重されてきました。
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立夏りっか <夏><5月6日頃>

この日から夏の始まりです。

5月5日端午たんごの節句』菖蒲の節句です。
男の子の節句として有名ですね。鯉のぼりや鎧兜をかざり、ちまきや、柏餅を食べ、菖蒲湯に浸かります。

粽は、団子に熊笹や菖蒲の葉で包んで蒸したもので、元は中国の故事に由来します。
長い伝統を持つ粽は、関西を中心に伝承されています。

柏餅に包まれている柏は、新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、跡継ぎが絶えない・子孫繁栄の意味があります。江戸発祥ということもあり、今でも関東が中心の風習です。

小満しょうまん <夏><5月21日頃>

陽気がよくなり、草木が生い茂る頃。

芒種ぼうしゅ <夏><6月6日頃>

麦のような芒(のぎ)のある穀物の種まきをする季節。

6月11日頃は『入梅』梅雨に入る頃で、農業にとって欠かせない恵みの雨の季節です。
梅の実が熟すころなので、その名がつきました。

夏至げし <夏><6月21日頃>

一年でもっとも昼が長い日。

小暑しょうしょ <夏><7月7日頃>

本格的な暑さが到来。暑中見舞いはこの日から大暑が明けるまでになります。

7月7日七夕たなばたの節句』笹の節句です。
織姫と彦星の物語や、笹竹に願いを込めた短冊を飾る風習が有名ですが、
行事食として、そうめんが挙げられます。
その歴史は古く、平安時代の法典『延喜式』に、素麺を七夕の供え物に定めることが記されています。
そうめんを、天の川や織姫の織糸に見立てることもあります。

大暑たいしょ <夏><7月23日頃>

梅雨が明けて夏真っ盛りとなります。

『土用丑の日』どよううしのひに鰻を食して、夏バテ防止、とは有名なお話ですね。
これには、先に、『丑の日に、うなぎ・梅・うりなど、うのつく食べ物を食べると夏バテしない』という言い伝えがあったそうです。

土用丑の日はいつかといいますと、立秋前18日間(7月20日~8月7日)を土用と言い、
丑の日(十二支 12日周期)と重なった日を指します。年によっては2回めぐってくるときもあります。

※各季節(春夏秋冬)の終わり18日間を土用と言います。
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立秋りっしゅう <秋><8月8日頃>

この日から秋の始まりです。実際は一番暑いころで、この日を境に気温が下がってきます。

処暑しょしょ <秋><8月23日頃>

暑さが止む頃。朝夕に涼風が吹きます。

白露はくろ <秋><9月8日頃>

夜の内の冷気で朝方、草木にしろつゆが降りるころ。

9月9日重陽ちょうようの節句』菊の節句です。
今では影の薄い節句ですが、最大奇数(古来中国では奇数を陽数=縁起の良い数字)が重なる、大変おめでたい日でした。

江戸時代には庶民も菊酒を楽しみ、栗ごはんを食べて祝いました。
旧暦の9月は現在の10月頃にあたりますので、菊花も栗も旬でした。しかし、現代に当てはめると時期が早すぎてしまいます。馴染みがうすくなったのは暦のずれが原因かもしれません。

秋分しゅうぶん <秋><9月23日頃>

昼夜の時間が同じになる日で、この日を境に昼間が短くなります。

また、秋分の日の前後七日間『秋の彼岸』と呼ばれる期間になります。
太陽が真西に沈むこの日は、極楽浄土にもっとも近くなる日と考えられ、ご先祖様を供養する習慣があります。
お萩を御供えしますね。

寒露かんろ <秋><10月9日頃>

朝晩が冷え込み、秋本番を迎える頃です。

霜降そうこう <秋><10月23日頃>

山間部では霜も降りはじめ、紅葉が深まる頃です。

立冬りっとう <冬><11月7日頃>

この日から暦の上では冬になります。
木枯らしが吹くころですね。

小雪しょうせつ <冬><11月22日頃>

わずかながら雪が降る頃で、日差しが弱まり、冷え込みが厳しくなります。

大雪たいせつ <冬><12月7日頃>

寒い地方では深い雪、平地でも地面にうっすらと雪に覆われる日も。

冬至とうじ <冬><12月22日頃>

一年でもっとも昼が短い日

冬至に欠かせない食べ物が、ゆず・あずき・かぼちゃ です。
お風呂に入れることで有名なゆずは、『融通が利く』と、冬至と湯治(とうじ)をかけています。
冬至は日が短いことから、『最も死に近い日』と考えられていました。あずきやかぼちゃには、邪気を払う力があるとされ、この日に食されていました。

小寒しょうかん <冬><1月5日頃>

一層寒さが増します。『寒の入り』といい、大寒の終わりまでが、寒中見舞いの時期になります。

1月7日人日じんじつの節句』七草の節句です。
人日の節句というと馴染みがないかもしれませんが、『七草粥を食べる日』というと分かりやすいでしょうか。
春の七草を白粥に炊き込んだもので、お正月の疲れた胃腸を休める意味もあります。

nanakusa     ♪せり、なづな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ♪

大寒たいかん <冬><1月20日頃>

一年でもっとも寒い時期です。

 

…以上で二十四節気の紹介でした。そして、また春を迎えます。

今回は、行事の云われ等の説明は簡略化し、関係する飲食に焦点を合わせました。
またの機会により掘り下げていきたいと思います。

参考文献:
・財団法人 日本ホテル教育センター.和食検定:基本編.2011、394p.
・和文化研究家 三浦康子.二十四節気.私の根っこプロジェクト 日々是活き生き 暮らし歳時記.2015-10-28.http://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/nijyushisekki/index.html、(参照2015-10-28)
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七五三は両家が集まる大イベント!迎えるスタッフも、どんな行事か知っておこう

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毎年10月も中頃を過ぎると、七五三の衣装を身にまとった家族連れをよく見かけます。

神社での祈祷や写真撮影とともに、会食という流れもあり、
この時期の飲食店は毎年、七五三のお客さまで大賑わいになることと思います。

主役のお子様、両親に加え、祖父・祖母と、三世代そろっての会食となることが多いでしょう。
地方によっては、親族も集まって披露宴をされるようですね。

なんとなくは知ってる七五三という行事。

いいおもてなしをするためにも、改めて七五三とは何かを知っておきたいですね。

七五三っていつ行うの?

七五三の正確な日付は、11月15日です。

ただ、現代では、11月15日にこだわらず、ご家族の都合にあわせた日に、執り行う方が多いようです。

実際、11月15日は平日にあたる年もありますし、予約(祈祷・撮影・会食会場)もこの時期は大変取りづらくなっている事情もあります。一番人気の日取りは、10月下旬~11月15日まで土日祝日と、大安・友引重なる日です。

そして年々、予約時期は早まっている傾向にあります。
以前勤めていた店舗では、早い方だと、春ごろから予約が入ってました。

七五三とは何か

子供の成長を祝う行事で、年齢、性別によって意味合いや衣装が異なります。

本来は数え年で祝いますが、最近では満年齢で祝うことも多くなりました。

今は、それぞれのご家庭の都合(たとえば兄弟一緒に行いたいので、一人は数え年になるなど)にあわせて、様々なパターンがあります。

それでは、それぞれの年齢別に詳細を見ていきましょう。

三歳

満年齢2歳半~3歳半頃の男女が対象(男子は行わない地方もある)

昔は、『髪置き』と言い、
それまで剃っていた髪を、大人と同じ髪型に結えるよう、この日を境に伸ばしました。

当日の衣装は、帯のない着物に被布(ひふ)と呼ばれる、ベストのようなものをはおります。

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白い被布がかわいらしいですね!

五歳

満年齢4歳半~5歳半頃の男子が対象

昔は、『袴着』と言い、
初めて袴を着る日で、袴を着て、碁盤の上に立たせ、わが子の勝負強さを願いました。

当日の衣装は、紋付羽織仙台平の袴を身に着けます。

七歳

満年齢6歳半~7歳半頃の女子が対象

昔は、『紐落し』または、『帯解(おびとき)』と言い、
それまで紐付きの着物だったのが、本仕立ての着物と帯になる日でした。

当日の衣装は、大人とほぼ変わらない着物です。

※どの年代も、これらのような和装か、洋装の晴れ着の場合もあります。

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七五三に込められた願いとは

七五三の原型は平安時代からありました。

今と違い、昔の子供は幼くして亡くなってしまうことが多くありました。

七歳まで生きられたことは、非常に幸運なことだったのです。

無事にここまで成長することができたというお祝いと、これからの成長の祈願を込めたものでした。

また、『千歳飴』は年齢分の本数をもらい、棒のように長生きを、との願いが込められています。

七五三はお祝いの席

迎える店舗・スタッフともに、お祝いの気持ちで迎え入れたいですね。

晴れの日ですので、お召し物もご家族で華やかだと思います。

そこで、会食前に家族全員のスナップ写真を撮ってさしあげると、大変喜ばれますよ。

食事中はお子様は着替えてしまうことが多いですしね。

三世代が集まる席では、会食時間の配慮もできるといいと思います。
最長でも1時間半以内にすべてのお料理提供を終えないと、お子様は飽きてしまうでしょう。

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この料理にはどんな日本酒があうの?あわせ方の簡単なポイント

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日本酒には、どんな料理にも合わせられる懐の深さがあります。

ところが、一回の会食で同じ銘柄を飲み続けようとすると、その時のお腹のすき具合や料理内容によっては、飽きがきたり、逆に物足りなくなったりすることがあります。

そこで、お酒にも変化をもたせ、その時々に合ったものを提供できると、食事全体のお客さま満足度が上がります。

ここでは、日本酒の知識があまりない方でも、簡単にお客さまにアドバイスができるポイントをお伝えしたいと思います。

コース料理でたとえてみましょう

まずは食前酒から…

まだお腹がすいた状態です。まずは軽い口当たりのものが良いでしょう。

例えば、発泡日本酒などはいかがでしょうか。数年前にブームになったこともあり、一般消費者の認知度も高くなってます。たいていはアルコール度数が低く、優しい甘さ(日本酒を作る工程でできる天然の甘さ)ですので女性にも受け入れやすいです。

または香り高い大吟醸もおすすめです。
この大吟醸の香りというのは、華やかでインパクトがあり、口当たりもするりとしてますから、素直に美味しいと思えます。

ただ、これが2杯・3杯と食事中も続くと、香りがうるさく感じてきますので、食前がベストだと思います。

続いては前菜や突き出しなど…

さっぱりとした料理が多いと思いますので、吟醸酒がおすすめです。

大吟醸酒よりも香りが控えめで、スッキリとした口当たりのものが多く、軽めの料理と相性が良いです。

冷酒で提供すると、より清涼感があります。

料理の中盤やメイン料理には…

少し胃も落ち着いてきたころでしょうか。ここでは純米酒をおすすめしたいです。
純米酒は米・米麹のみで作ったお酒です。
吟醸酒等に比べるとボリュームがありますので、メインの料理に負けません。

ここでのポイントは料理と日本酒のボリュームを合わせることです。
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ボリュームを合わせるとはどのようなことをいうのでしょう

料理のボリュームを決める要素として、食材・調理方法・味付けなどの違いがあります。

鯛のような白身の魚よりも赤身の牛肉、煮物より揚げ物、塩より味噌 の方がボリュームがあると考えます。

同じようなイメージで日本酒のボリュームを決める要素として、日本酒の作り方飲用温度の違いがあります。

吟醸酒(大吟醸)よりも純米酒、他にも辛口である、山廃仕込みや無濾過である、アルコール度数が高い、お燗酒にする といった方がボリュームがあります。

少し専門用語がはいってきますが、どうでしょう、ボリュームについてイメージできましたでしょうか?

ざっくりですが、淡い(軽い)料理には淡い(軽い)酒、濃い(重い)料理には濃い(重い)酒 と、両者のボリュームをあわせればたいてい相性が良いです。

この考えなら、あまり知識がなくても応用できると思います。

やっぱり大事なのは、自分の舌でたしかめること

上記の日本酒の作り方の違いは、やや専門的になり難しいとは思いますが、日本酒のラベルに情報は書いてありますので、まずは自店の商品を確認してみてくださいね。

そして試飲をして、自分の舌で感じ、どんな料理とあうか想像してください。それらの情報はお客さまにとって、ラベルの情報より頼りにしますから。

おまけに、食後酒はどうか…

フランス料理やイタリア料理では、デザートにもっともボリュームのあるお酒(こっくりとしたブランデーや、うんと甘酸っぱいレモンチェッロなど、どちらもアルコール度数も高い)を持ってきますね。

日本酒にも三年以上熟成させたお酒『熟成酒』があります。甘い熟成香と、まろやかな味わいは濃厚なデザートにもぴったり合うでしょう。

ただ、和食だと、ご飯ものの段階で、お酒からお茶に変わる方がほとんどですよね!

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『このお酒、燗にしてくれ』『当店のお燗酒はこちらのみです』そんなやりとりしてませんか?

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みなさんのお店では、日本酒の取り扱いは何種類くらいありますでしょうか。そのすべてはお燗酒にすることはできますか?
それとも銘柄によって冷酒用、燗酒用に分かれていませんか?

本来の日本酒は燗にすると旨くなる

日本酒にも流行があります。

江戸では燗酒のスタイルが流行ったそうで、そのままで(お燗酒にしないで)飲むスタイルは、お下品!?とまでいわれたそう。

記憶に新しいのは1980年代、空前の吟醸酒ブームがありました。
フルーティーな香りと淡麗辛口の味で、冷たくして飲むスタイルが流行りました。

この頃、お燗酒は安い酒で、とイメージがついたように思います。

さて、現代ではどうでしょう。じつは消費者の日本酒離れとは逆に、歴史上もっとも美味しい日本酒であふれています。
冷酒でももちろん美味しいですが、本来の日本酒(純米酒等)は温めることで旨み成分が引き出され、香り・味のふくらみが増します。

普段は冷酒で提供している銘柄を、あえてお燗酒にして

確かに、香りが立つ吟醸酒は、冷酒でサラッと飲むのは美味しいです。

でもあえて温めて飲んでみましょう。ぬる燗~飛び切り燗まで、色々な温度帯で飲んでみましょう。

燗酒の定義ってあるの?お客さまそれぞれのマイルール

これが飲んでびっくり!冷やして飲むのとはまた別の魅力に気づくと思います。

もちろん冷酒の方が良い場合もあるでしょう。それでもよいのです。

大事なのは試飲してみて、店の商品の魅力を、従業員がきちんと把握することなのです。

そしてつまみが欲しくなります。どんな肴が欲しくなるのか想像し、合わせてみて自分で感じることが、実際の接客にもつながりますよね。
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日本酒のタイプ別に美味しい温度帯がある

他の要因も複雑に絡んで味が決まりますので、すべてにあてはまる訳ではないのですが、傾向はあります。
個人的な見解が多いのですが参考にしてください。

日本酒タイプ別美味しい温度帯
種類・特徴 冷して ぬる燗 熱燗
本醸造 中にはアルコールが際立ってしまうものも
純米酒 熟成していると飛び切り燗でも◎
吟醸酒 〇△ △☓ フルーティーさが際立つものは向いてない
大吟醸酒 〇△ △☓ フルーティーさが際立つものは向いてない
山廃 生酛 燗の為に生まれたお酒
生酒 フレッシュさが特徴
古酒

安い酒=お燗酒用ではない

お店によっては、仕入れ値の安い『普通酒』や『本醸造』をお燗酒用にしているのを見受けられます。

でもどうでしょう、試飲して比べてみたら冷酒用で提供していた純米酒のほうが燗酒に向いていたことに気付くはずです。

質が良く、安い純米酒はたくさんあります。結果的には売上・利益につながるのはこちらのお酒だと思います。

日本酒メニューを燗酒用と冷酒用で分けていたら恥ずかしい時代へ

日本酒の魅力は、飲用温度の幅が広いことが挙げられます。

どの銘柄をどのようにして飲むか、を選ぶのはあくまでお客さまであり、店側ではありません。したがって決めつけるようにしたメニュー構成にしてしまうと、店側のレベルが疑われてしまうでしょう。

そして、接客のプロとして求められたときには的確なアドバイスができるようにしておきたいですね。

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燗酒の定義ってあるの?お客さまはそれぞれの好みがある

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秋も深まってきて、温かいものが恋しい季節になりました。
これからの季節は、“お燗酒”のオーダーがグッと増えてくるのではないでしょうか

お燗を頼まれた。お店のルールに従ってあたためたお酒をお客さまのもとへ。ところが…

『なんだ!ぬるいじゃないか。もっと熱いの持ってこい!!』や、
逆に徳利を温めすぎて、『あっちちっ!!やけどさせる気かっ』

まだ日本料理の仲居として駆け出しの頃、こうやってお客さまに怒られた経験がよみがえります…

日本酒をメニューに出しているお店のほとんどが、“酒燗機”を設置してますから、機械に徳利をセットするだけで、簡単にお燗酒が出来上がります。

一定の温度のお酒をだしているのに、なぜお客さまによって意見が分かれるのでしょう。

お燗酒に決まり事ってあるの?

まず、お燗酒とは、30℃以上に温めた日本酒を指しますが、上は55℃以上と幅が広いため、どのあたりの温度帯がお好みか探る必要があります。

温度によって名称がありますが、何℃で覚えるより、名称をざっくりと覚えたほうが感覚として分かりやすいと思います。

  • 日向(ひなた)燗/30℃前後
    温かくも冷たくもない温度で、口中にじわりと広がる
  • 人肌燗/35℃前後
    感覚としてはこちらが『ぬるい』と感じるかも
  • ぬる燗/40℃前後
    体温より高めの温度で熱いほどではなく、酒の甘味を強く感じる
  • 上(じょう)燗/45℃前後
    お猪口からかすかに湯気が出るくらいで、頬の内側が温かく感じる
  • 熱燗/50℃前後
    口の中で酒がとろける感覚で、熱いと感じる
  • 飛び切り燗/55℃以上
    のど元を熱いものが下りるような、はっきりとした熱さ

お好みの温度帯を伺おう

お酒に詳しいお客さまだと、こちらから聞かなくても、名称で注文される方もいらっしゃいますよね。

『お燗を。』とだけご注文されたお客様にも、よくよくお好みを伺ってみると、案外専門用語(ひと肌でなど)で返答されることも多くあります。

なぜなら、悲しいかな、お店によっては従業員の知識が乏しく、対応できない事が多いのが現状で、お客さまから細かな好みを伝えることを諦めていることもあります。

逆に詳しくないお客さまには、『熱め』『ぬるめ』など、専門用語ではない言い回しで伺いましょう。

atsukan

常温のお酒は意外!?20℃程度を指す

室温の状態くらいを『常温』と呼びます。お猪口を持っても少し冷たい感覚がしますが、イメージで『ぬる燗』と混同しやすいかもしれません。

お客様もそう思っている可能性もありますから、ここはちょっと難しい問題でもありますよね。

追加注文の時にもやはり温度を確かめよう

ここは聞き方を工夫して、先程の温度が本当に求めていたものだったかをさりげなく探ってみてください。
会話をすることで、お客様とサービス側のイメージするものが一致していきます。

気分や銘柄で温度を変えたいときもあります。
また、日本酒は不思議なお酒で同じ銘柄でも飲用温度で違った味わいが楽しめます。

ぜひお店の日本酒で利き酒をして、味わってみてください。
きっと、お客様におすすめの温度帯で飲んでもらいたくなりますよ。

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